展示室内に入ると、1/1000 の縮尺で再現された、幅約 17 メートル、長さ約 22 メートルの巨大な東京の都市模型が現れます。そしてこの巨大な都市模型を囲みながら、東京を舞台とするマンガ・アニメ・ゲーム・特撮作品の展示が展開されます。現実の都市風景に、さまざまな物語の場面やキャラクターの記憶が重ねられて醸成される、〈東京〉 の複合的なリアリティを来場者が体感できる構造となっています。
模型制作:ニシムラ模型/マーブリングファインアーツ
©MANGA ⇔ TOKYO Japonismes 2018
*写真はパリ展のときのものです。
都市的な破壊と復興という、非日常の合間には、市井の人々の日常生活が息吹きます。このセクションでは、「プレ東京としての江戸」「近代化の幕開けからポストモダン都市まで」「世紀末から現在まで」と3つの区分に分け、日常生活を描写した作品群を通して、人々の生活の場としての東京の姿とその変遷を見てゆきます。
2A プレ東京としての江戸
松本大洋・永福一成 竹光侍
©松本大洋・永福一成/小学館
杉浦日向子 百日紅
©杉浦日向子
2B 近代化の幕開けからポストモダン都市まで
北条司 シティーハンター
©北条司/コアミックス 1985
大和和紀 はいからさんが通る
©大和和紀/講談社
滝田ゆう 寺島町奇譚
©滝田ゆう
2C 世紀末から現在まで
羽海野チカ 3月のライオン ©羽海野チカ/白泉社
秒速5センチメートル ©Makoto Shinkai / CoMix Wave Films
最後のセクションでは、これまでとは逆に、現実の都市空間に召喚されたキャラクターたちに目を転じます。街に現れたキャラクターたちは、商品の販売促進やキャンペーンのPR のマスコット的な存在であり、また観光資源としても幅広く活用されています。生身の人間とキャラクターが共存する街としての〈東京〉のアンビバレンツな魅力を、インスタレーションで再現します。
秋本治 こちら葛飾区亀有公園前派出所 ©秋本治・アトリエびーだま/集英社